コスト削減×効率UP!らくトク★デジタコ大百科 > 運送業の法規・労働時間について知る > 運送業の休憩時間の実態

運送業の休憩時間の実態

公開日: |更新日:

運送業は、どうしても休憩時間の把握が難しく、悪質な運送業だと休憩時間を考慮せずに配送スケジュールが組まれることもあるようです。このページでは運送業の休憩時間の現状や問題点などについて紹介していきます。

img01

運送業において休憩時間の管理が問題になりやすいのは、未だにアナログな記録・管理体制が残りがちという背景も関係しているんだ。
2024年からの改善基準告示に備えるためにも、正確かつ管理しやすい体制を整備していくことが大切になるぞ。

このサイトでは、コスト削減も効率化も目指せるおすすめの「デジタコ」について紹介しているから、ぜひチェックしてみてくれ。

ラクでおトクに導入できる!
クラウド版・おすすめデジタコ3選

休憩時間の把握が難しい理由とは

ドライバーは基本的に決まった時間に事業所で休憩する訳ではありません。配送の途中などで休憩を取るケースが多いため、事業者がドライバーの休憩時間を管理することが難しい面もあります。ここでは具体的に理由について紹介していきます。

労働時間が管理しづらい

労働時間を管理し把握することは、事業者に課せられている義務です。そのため一般的には労働時間から拘束した時間を差し引き、休憩時間が求められます。つまり休憩時間が分からなければ、労働時間も算出できない状態になるのです。

ドライバーを管理する際、デジタコやGPSを用いる方法がありますが、これらは車両の位置や状況を確認するためのものなので、ドライバーが休憩をしているのかどうかを正確に把握するのは難しいといえます。

多くの運送業は行っている方法として、出社・退出のタイミングでタイムカードに記載する方法です。その際に休憩時間を日報などに記録してもらい、その記録を見ながら休憩時間を管理することができます。ただ、この方法だとドライバーが正確に記録しているかどうかが分からず、どうしても曖昧な管理方法になってしまうので注意が必要でしょう。

荷下ろしなどの待機時間

運送業の休憩時間の管理をより難しくしているのは、待機時間です。ドライバーが指定された時間に従い集荷・配達を行ったとしても、その場で待機しなければならない状態になることが多々あります。勿論この待機時間も労働時間に含まれ、たとえドライバーがスマホをいじっていても基本的に休憩時間にはみなされません。

それはドライバーが場所・時間などで拘束されているからです。待機していると言っても、前の車の状況に合わせて運転しなければならず、荷物を正確に積んでいるかどうかもチェックしなければならないため、決して休憩とは言えないのです。

430休憩とは?

ドライバーには「430休憩」という決まりが定められています。これは4時間運転すれば、30分休憩をはさむという決まりのことで、長時間運転を避ける目的で定められた規則です。

430休憩の目的

長距離ドライバーの多くが、連続で長時間運転をしてしまうことがありました。中には無理に運転することによって、重大な事故に繋がり、命を落とすことも。少しでも事故を防ぐために「430休憩」の規則が定められるようになり、運転中に適切な休憩を取るように指導しているのです。監査を行う際も「430休憩」がしっかり取られているのか、厳しくチェックされるため、事業者もドライバーの休憩について真剣に考えるきっかけになっているでしょう。

430休憩をするために

大型のトラックの場合、どうしても長時間休憩するための駐車スペースを確保する問題があります。大型トラックを駐車するスペースの確保は難しく、路上に停めるわけにもいかないので、430休憩ができないケースも増えてしまいます。事前に休憩スポットをチェックしたり、渋滞情報に合わせて臨機応変に休憩するなどの対策が必要になるでしょう。

休憩時間を管理できない問題点

休憩時間を事業者が管理できなければ、様々な問題が発生する恐れがあります。

残業代として請求

事業者がドライバーの休憩時間を管理できなければ、ドライバーから休憩時間が確保できなかったとして、残業代を請求される可能性があります。裁判となれば、労働者の証拠によっては労働者側に有利な判決が下され、会社は休憩時間分の残業代を支払う義務が発生するでしょう。

過労死や疲労による事故のリスク

事業者は、労働者の健康・安全を守るように配慮しなければなりません。過度な労働を強いてしまい、過労死や疲労が原因で事故を起こせば、事業者側が損害賠償を支払うこともあるのです。労働時間や休憩時間などを正確に把握していれば、事業者に責任はなかったと証明することもできますが、曖昧な管理体制であれば反論することすらできません。どちらせよ、事業者・労働者ともにメリットがない結果となってしまいます。

長時間労働に認定されるリスク

430休憩などドライバーが安全に運転するために、ほかの業種よりも厳しい細かな基準が定められており、その基準を超えて運転を強いると居眠り運転などのリスクを高めることになります。もし法令を遵守していないと判断されれば、逮捕・送検されるケースもあり、運送業を継続できないことも。事故を起こさないためにも法令を守り、ドライバーに指導していくことが大切なのです。

ドライバーに休憩の意識を持たせることが大切

運送業において、休憩時間を把握・管理することは非常に難しいでしょう。しかし休憩時間をしっかりと確保し、ドライバーに休憩を与えなければ、罪に問われることもあり、最悪の場合は死亡事故に繋がることもあります。

ドライバーの中には少しでも早く配送を終えたいからといって、無理に長時間運転を行ってしまうケースも。また今までは休憩せずに大丈夫だったからと、まったく休憩を取らない運転を続けるケースもあるでしょう。どんなにドライバーが大丈夫といっても、その行動を止めなければ、事業者の責任になってしまいます。

まずは事業者とドライバー双方の認識を変え、休憩時間をしっかり取るように指導することが大切です。常に休憩の声掛けを行うなど、対策を講じてください。また休憩時間がきちんと管理できるように、ドライバーに休憩時間の記録を正確につけるように指導することも重要なポイントでしょう。

国交省認定のデジタコメーカーを徹底紹介

コスト削減×効率UPを叶える!はじめての「デジタコ」導入ポイントをチェック