デジタルタコグラフ――通称デジタコは、装着しているトラックなどの車両の運行記録を文字通りデジタル式で行う機器。運送業務全般の効率化や経費の削減といった、大きなメリットを実現できます。賢くデジタコを活用して、業績改善に役立てましょう。
公開日: |更新日:
デジタコなら
俺に任せな!
案内人:タコジロウ
長年のトラックドライバー経験を有し、現在は運行管理業務を担当。デジタコによる業務改善効果によって、趣味の競馬の時間を多く取れるようになった。タコわさとホッピーが大好物。
デジタコには驚くような機能が満載だ。
知らねえと損するぜ!
速度や走行距離などの数値を記録する
デジタル式の運行記録計
デジタコとは、車両の運行データを記録するタコグラフが、その名の通りデジタル方式になったもの。アナログ式のタコグラフ「アナタコ」が専用のロール紙に情報を記録するのに対し、デジタコはデジタル方式で記録されるというのが最大の違いです。そのうえ近年では、そうしたデータをリアルタイムで表示したり、ドライバーの運転の仕方なども記録することが可能に。そうした特性を上手に活かせば、業務効率の改善や経費の削減につながります。
POINT.01
ひと口にデジタコと言っても、初期のものやローコストなエントリーモデルなどは、データの記録先が単にロールペーパーからSDカードなどになったという感じに過ぎません。
一方、近年増えているクラウド式は、GPSなどを介して、トラックの運行情報をリアルタイムで、インターネット上で確認できるという機能を有しています。この機能こそが、配車や運行管理の効率化といったことに大きく寄与します。クラウド型デジタコを導入する最大のメリットと言っても良いでしょう。
SDカードは温度に対する耐性を持たせたりするため安物ではない。また、過酷な抜き刺しをすることや、ポケットに入れたりすることで劣化が発生し、すぐに買い替える必要がある。だから実際には、クラウド対応型のほうが安く済むんだ。
POINT.02
そもそものお話として、自動車やオートバイなどを購入する場合には試乗、衣服を購入するなら試着を行うのは当たり前ですね。デジタコの場合も、事前に試してみるということが大事になってきます。それこそ決して少なくない費用がかかるのですから、導入後に「違った!」「失敗した!」という事態を避けるためにも、事前に試せることが重要です。また後述します通り、デジタコの中でもいわゆるハイエンドモデルというものが存在していますが、そうした類のものはオーバースペックで不要な機能まで搭載しているというケースもありえます。
もちろん費用も高額になりがち。そうしたミスマッチを避けるためにも、事前に、自社に必要な機能か、業務内容にマッチした製品かを試せることが大切なんだ。
POINT.03
「導入前に試せること」の箇所でも触れました通り、デジタコというものは、ただハイエンドな高機能モデルを導入すればいいというものではありません。そうした類のものは、えてして導入費用も運用コストも、高額になりがち。また高機能な分、自社の業務には不要な機能まで搭載されているというパターンもあるあるです。最終的には、自社の業務内容と各々のデジタコ製品の機能を確かめながら検討するという作業が必要になります。
クラウド方式によるリアルタイム動態確認と運行日報自動作成機能、プラス各ドライバーの運転の仕方などを記録できる機能があれば、十分に業務効率化やコスト削減に役立てることができると言って良いだろう。
POINT.04
運送業界に対しては、デジタコの装着義務化の流れが進んでいます。現在は装着が義務化されていない分野でも、将来的に義務化がより進んでいくものと思われます。また現在義務化されている分野において、もしもデジタコが故障した場合、不備をそのままにしていると法令違反となり、処分の対象になる可能性があるということもありえます。そうした面倒な事態となった場合を想定しておき、デジタコ選びの際は、故障時の対応が充実しているメーカーを選ぶことも重要です。
デジタコによってもたらされている業務の効率化や経費削減といったメリットも減少してしまうんだ。まずは代替機をすぐに提供してくれるかどうかを、予めチェックしておくと良いぞ。
2024年4月
からだぞ!
最近、よく耳にする「2024年問題」というワード。運送業では2024年から大幅な働き方改革が進められていき、その大きな環境変化によって生まれるさまざまな問題を総称して「2024年問題」と呼んでいます。
2024年問題と合わせて知っておかなければいけないことが「改善基準告示」です。ドライバーの労働時間に関する上限などを定めた基準で、この基準に沿った労働環境の整備がされているかが重要になります。
改善基準告示では、主に「拘束時間」「運転時間」「休息時間」「休日労働」に関する内容が変更となり、上限の短縮が実施されます。たとえば、1ヶ月の拘束時間はこれまでの293時間から284時間に短縮され、1日の休息時間は継続8時間から継続11時間以上が基本になります。
これらの基準に違反した場合は、国土交通省からの行政処分を受ける可能性があるため、適切に労働状況を把握・管理する必要があるのです。
改善基準告示の内容はその他にも細かく定められており、それら一つひとつを正確に管理することは簡単ではありません。そこで役に立つのがデジタコです。特に、クラウド式のデジタコであれば、正確な運行情報をリアルタイムで記録・確認することが可能で、細かい改善基準告示の内容も適切に管理できます。
また、従来のアナログ式のタコグラフに比べてデータの改ざんが難しいということもあり、運行記録・勤務状況の不正防止にもつながります。
費用と機能のバランスがいいデジタコは、この3機種がおすすめだぜ!
前述のデジタコ選びの4つのポイントを踏まえ、当サイトが調べたクラウド版デジタコの中から、導入前に試せて、搭載機能のシンプルなものを3つ紹介します(2021年1月29日時点)。それぞれの特徴をわかりやすくまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
メーカー名【製品名】 | 月額料金(税込) | 無料トライアル の有無 |
故障時の対応 |
---|---|---|---|
トランス・アイ 【らくデジ】 |
2,728
円 (税抜価格 2,480円) |
あり 14日間 |
代替機を無償交換 (3年) (災害や車両事故による破損を含む) |
AXIS 【KITARO】 |
3,080
円 (税抜価格 2,800円) |
あり 14日間 |
代替機を無償レンタル (最長2週間、 それ以降は有料) |
トランストロン(富士通) 【DTS-F1A】 |
記載なし | あり 操作デモサイト |
代替機を月額料金内で レンタル |
※ドラレコ本体の購入費用、取り付け作業工賃、ソフトウエア、パソコンやスマートフォンなど関連機器の購入費用、月額使用料などは別途必要になります。
俺がすすめるには
れっきとした理由
があるんだぜ!
巷に数あるデジタコ製品のなかからピックアップしたおすすめ3製品は、いずれもクラウド式であること、機能と費用面のバランスが良いこと、事前に試せること、故障時の体制が整っていることなどのポイントが高かった機種になります。それぞれの特徴を、より詳しく紹介していきます。
月額料金(税込) | 2,728円 (税抜価格 2,480円) |
---|---|
無料トライアルの有無 | あり (14日間) |
故障時の対応 | 代替機を無償交換 (3年) (災害や車両事故による破損を含む) |
これだけの機能が
あるのにこの安さ、
やるじゃねぇか!
クラウド型でありながら
身近なコストを実現!
トランス・アイが手掛けるらくデジは、クラウド型のデジタルタコグラフでありながら、導入費用は1台あたり税込103,180円(取り付け工賃、登録諸費用は別途)で月額利用料は税込2,728円という身近さを実現。
もちろん車両のリアルタイム表示も可能となっており、業務効率化に大きく貢献します。
運行日報の自動作成や
運転データの記録も整備
らくデジは製品名が示している通り、運行日報の自動作成機能を搭載。アナタコのようにチャート紙をセットしたり、ローエンドのデジタコのようにSDカードを回収して読み込むといった手間が一切不要です。加えて急発進やアイドリングの状況など、ドライバーの運転に関するデータもすべて記録。安全や燃費向上の指導に役立てることもできます。
本体寸法 | 155(W)×30(H)×147.3(D) |
---|---|
重量 | 380g |
電源電圧 | DC12V~24V |
月額料金(税込) | 3,080円 (税抜価格 2,800円) |
---|---|
無料トライアルの有無 | あり (14日間) |
故障時の対応 | 代替機を無償レンタル (最長2週間。 それ以降は有料) |
元々、ITに強い
会社がつくった
デジタコだぜ!
ITを得意とする会社が
手掛けたデジタコ
KITARO×デジタコを手掛けるAXISは1991年の設立以来、コンピュータシステムに関する研究や調査、コンサルティングといった業務に携わってきたという会社です。そんなITに強みをもつ会社が手掛けたというだけあり、リアルタイム表示や自動日報作成機能なども、もちろん装備しています。
ドライバーの
運転成績ランキングも
KITARO×デジタコには安全評価(急発進、急ブレーキ等)ならびにエコドライブ評価(アクセル操作やアイドリング等)という機能も実装されており、各ドライバーの運転に関する詳細を記録可能。ドライバーの運転成績をランキングすることもできるので、評価や指導にも役立てることができます。
公式サイトでキャンペーン情報は見つかりませんでした。
本体寸法 | 178(W)×50(H)×100(D)mm |
---|---|
重量 | 記載なし |
電源電圧 | DC12V~24V |
月額料金(税込) | 記載なし |
---|---|
無料トライアルの有無 | あり (操作デモサイト) |
故障時の対応 | 代替機を月額料金内でレンタル |
富士通の関連会社
が手掛ける
デジタコだ!
かの富士通グループの
会社によるデジタコ
DTS-F1Aを手掛けるトランストロンは、パソコンや電池類などで知られる大手メーカー・富士通の傘下グループ会社になります。知名度という点では、ドラレコを手掛けるメーカーの中では、群を抜いていると言ってよいでしょう。もちろんクラウド型でリアルタイムの動態把握や店着管理などが可能です。
必要に応じて
機能の追加も可能
DTS-F1Aはトランストロンが手掛けるクラウド型デジタコのなかでは、ベーシックモデルという位置づけになります。リアルタイムの動態把握や店着管理を基本機能としていますが、その上で必要に応じ、アルコールチェッカーとの連動や安全運転支援の各種装置、さらには荷室の室温計などとの連携も可能となっています。
公式サイトでキャンペーン情報は見つかりませんでした。
本体寸法 | 174(W)×25(H)×146(D)mm |
---|---|
重量 | 約400g |
電源電圧 | DC12V/24V |
デジタコについて
知っておこう!
今やすっかり当たり前となっているスマホやパソコンなどと比べ、デジタルタコグラフというものは、馴染みが薄いものというのは否めません。「そもそもデジタコって何なの?」「どんなことができるの?」といった疑問をお持ちの方も多いことでしょう。ここでは、そんなデジタコに関する各種情報を、取りまとめてご紹介していきます。
車両の走行時間や速度などの情報を、トランスミッションを通じて記録していく機器になります。記録方式はもちろんデジタル。近年では、急加速や急ブレーキなどドライバーの運転の仕方なども記録できるようになっています。
それこそ普通にパソコンなどが使える管理者の方なら、アナタコよりもずっと簡単で便利、有益に活用できるというのがデジタコです。ドライバーにとっても、操作が負担になるということは、まったくありません。
メリットはなんといっても、リアルタイムで様々な情報を簡単に確認でき、その結果、業務の効率化や改善、コスト削減などにつながります。デメリットは費用面、一部ドライバーからの反発などが考えられます。
運送業者がデジタコを導入したいという場合、その促進のため、各種団体が助成金を設定しています。国土交通省や厚生労働省という省庁はもとより、全日本トラック協会や一般社団法人 環境優良車普及機構などが行っています。
デジタコ導入を検討するにあたり、一番のネックとなるのはその費用面でしょう。デジタコ機器自体の平均相場は178,000円(ページで紹介しているデジタコの平均値)となっていますが、機器によってはより安価なものも増えてきています。
事故防止やドライバーの待遇改善などの観点により、デジタコは車両総重量7トン以上、または最大積載量4トン以上の事業用車両に義務化されています。この流れはさらに拡大するものと見られています。
デジタコを導入するという場合には、導入する機種を選ぶというのが最大のポイント。その後はメーカーへの問い合わせ、見積もり、取り付け施工といった時系列になります。
デジタコの導入による効果としては、燃費の改善による燃料コストの削減、配車の効率アップによる収益の増加、事故リスクの低減による利益ロス回避や信頼性向上などが挙げられます。
トラック向けとしては業務を効率化させるための動態管理や配送管理、労務管理などがリアルタイムで行えるもの。産業廃棄物収集運搬車向けには車両の動向や位置情報が確認できるシステムを持ったデジタコがよいでしょう。
バスドライバーは安全運転が何よりも優先されます。そのためデジタコの交通事故の防止、ドライバーのスキルアップ、燃費の向上などに役立つ機能が、バスとドライバーにも有益とされるのです。
スマートフォンはもはや、小型のPCと呼んで差し支えないほどの機能を搭載しています。アプリケーションをインストールすることで、その機能をデジタコ並みに活用することも期待されています。
デジタコの時計部分が故障またはSDカードを挿入していない場合、「運行記録計不備」の違反行為となるので注意が必要です。SDカードを確認しても症状が改善しない場合は、デジタコ本体に不具合が生じている可能性もあるので早い段階で業者に連絡しましょう。
デジタコで収集した運行記録は、法律によって1年間の保管が決められています。ただデジタコの運行記録はドライバーの勤務状況・労働環境を表す重要な書類としても活用でき、銅同基準法に則って3年間の保存義務の対象になることも。そのため3年間の保管を検討するようにしましょう。
ドライバーの運転意識の向上や事故発生時の原因追及、運行データの解析・分析が簡単になるといったメリットがあります。東京や大阪、京都などでは法人タクシーのタコグラフ装着が義務化されていることも。個人タクシーも安全面を考慮して装着を検討しましょう。
業務フローの効率化と作業品質の向上やリアルタイムでドライバーと連絡が可能、運行データの収集・分析が簡単などのメリットがあります。義務化には至っていませんが、今後義務化される可能性があるので早めに検討が必要です。
ドライバーへの指示の精度が高まる、マップ上に表示されている交通情報と比較して最適なルートが検証できる、現時点の状況をドライバーが電話で報告する手間を省けるといったメリットがあるデジタコ。位置情報を知ることによる効果を把握しましょう。
「丸型アナタコ」と「平型アナタコ」の2種類があります。丸形アナタコはスピードメーターの裏側につけることができ、1日(24時間)用や7日(1週間)用などのチャート紙があります。平型アナタコは基本的に場所を取らずに設置でき、多くの車種に適応性があります。チャート紙の交換が簡単に行える点が特徴的です。
「標準型デジタコ」「単機能型デジタコ」「多機能型デジタコ」の3つの種類があります。それぞれのデジタコに特徴があり、メリット・デメリットが異なるでしょう。どのデジタコが自社に合っているのか、検討してみてください。
デジタコで確実に
運行管理は変わるぜ
運行管理システムとは車両とドライバー、動態管理・運転日報・配送管理・労務管理・燃費管理など運送業に関する諸々を管理するシステムのこと。そしてこれらをデジタコと連動させて管理することが、効率化に大きくつながるとされています。ぜひ、知識を深めておいてください。
各車両の状況をリアルタイムで管理することで状況などに応じ指示を送ることも可能。配送や作業スケジュールの効率化、コスト削減、ドライバーの生産性向上、事故の予防などが期待できるデジタコをご紹介します。
近年人気のデジタコとして、運転日報を自動で作成してくれるタイプのものがあります。いちいちSDカードを回収してデータを表示し、手動で入力といった手間暇から解放してくれる機種を取り上げています。
トラック業界では、荷物の配送ミスや遅れといった失態は極力回避しなければならないもの。荷時間や配送完了時刻、位置情報の取得などが可能なおすすめデジタコをピックアップしてみました。
今なお、トラックドライバーの労働環境は厳しいものと見られてしまいがち。適正な労働環境実現やドライバーの評価に役立つ機能を有したドラレコについて、解説しています。
アクセルの踏み方やアイドリンク時間などによって、トラックの燃費は確実に変わってくるものです。そうしたドライバーの運転の仕方を記録できるドラレコについてフォーカスを当ててみました。
万一の事故の際や、あおり運転を受けた場合の重要な証拠として、その重要性が高まり続けているドラレコ。デジタコとして、ドラレコとの連携機能を有する機種についてとりまとめてご紹介。
デジタコと連携させて各種データを一元管理できる、AIによるルートの最適化、人件費の削減と管理業務の属人化解消、事故防止や事故発生時の迅速対応、労働環境を整え安全確保などのメリットがあります。効果を最大限に活かすためにも、システム導入時にはドライバーへ丁寧な説明が大切です。
デジタコの恩恵、
しかと見届けろよ!
自社にデジタコや運行管理システムの導入を検討されている方、迷われている方が気になるには、実際にそれらがどのように活用され、メリットをもたらしているかということに尽きるでしょう。ここでは、事例の種類ごとに、実際のエピソードをご紹介していきましょう。
複数のトラックのリアルタイムな状況を把握し、配送状況を正確に把握できるというのがクラウド型運行管理システムの最大のメリット。そうした実例をご紹介していきます。
旧態依然としたアナタコから最新のデジタコに変更した場合、業務の効率化はどのように、どの位変化するものなのか。そのような事例についてご紹介しています。
クラウド型デジタコに実装されているドライバーの急ブレーキや急ハンドルなどを記録する機能は、事故防止にどのように役にたっているのか。そうした事例についてフォーカスを当ててみました。
クラウド型デジタコのドライバーのアクセルの踏み方やアイドリング時間をデータ化する機能は、ドライバーの省燃費運転意識を高める効果ありとのこと。そうした事例を取り上げてみました。
ドライバーの拘束時間や休憩、休息がきちんととれているかを、データとして記録できるのもデジタコの大きなメリット。そうした機能によって、陸運局の監査対策になった事例をご紹介しています。
例えば自動日報作成機能によって手作業の業務から解放され、その時間を別の業務に活用できた、それまでは荷物の到着状況にやきもきさせられていたが、リアルタイム動態把握機能で解消したといった事例をご紹介しています。
デジタコ製品の
違い、刮目せよ!
クラウド型のデジタルタコグラフでありながら、導入費用、運用費用ともにリーズナブル。自動日報作成機能やリアルタイム動態表示ももちろん可能。故障時には代替機器が無料で利用可能で、事前お試しもあり。
元々ITに強みを持つ会社で、そうした利点を活かしたクラウド型デジタコをリリース。ドライバーの運転成績ランキング機能や専用スマホアプリとの連携、定期点検、車検、保険の更新などを知らせるリマインダー機能もあり。
パソコンや電池類などで知られる大手企業、富士通のグループ会社。クラウド型デジタコは、スタンダードなものからドラレコを搭載したものまで幅広く用意されており、必要に応じた機能追加なども可能。
ドラレコの「ロジたこ」と運行管理システムの「ロジこんぱす」をラインアップ。機能的には一定レベルながら、費用の面で身近、運用面でも容易というのが大きなセールスポイントとなっています。
NTTドコモのパケット通信サービスを利用したトラック向けドラレコがD-NAS Ⅳ。スタンダード仕様に加えて、IP無線機能を追加した仕様もラインアップされています。
元々はSDカード方式のローコストなデジタコを手掛けていることで知られていましたが、近年ではクラウド併型や、多機能なハイエンド型も取り揃え、ラインアップを充実させています。
タクシーメーターやドライブレコーダー、ETC装置なども手掛けるメーカーになります。デジタコも様々なニーズに対応できるよう、エントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広くラインアップ。
スパークプラグなどで知られるトヨタ系自動車部品メーカー。高度な機能を持つハイエンドモデルから必要最小限の機能に特化したエントリーモデルまで取り揃えられています。
かつては、DRT-7100やDRT-7500というデジタコ機器を手掛けていましたが、2019年をもってデジタコやドラレコなどの自動車運行管理システム事業から撤退したとのことです。
自動車部品や機械工具などを取り扱っており、ドラレコも自社開発。ドラレコとリアルタイム動態管理機能を備えた「タコドラ」と、法定三要素に特化したSDカード方式の「DTU-1」を用意。
ドラレコやバックアイカメラなどの自動車関連製品を手掛ける傍ら、太陽光発電も手掛ける会社になります。デジタコの「XDT-1」はSDカード方式ながらGPS機能も搭載。
ハイテク系の自動車関連部品・製品を幅広く手掛けている会社になります。デジタコである「SR Connect」はクラウドタイプでありながら、データバックアップ用にSDカードも装着。
大正時代創業という老舗でタクシーの料金メーターを手掛けてきたことで知られます。デジタコはSDカード方式のエントリーモデルから始まり、その後クラウド型もリリースしています。
クルマ好きの方にはカーオーディオメーカーとして知られています。手掛けるデジタコはクラウド型ではなく、SDカード式のローコストなCF-2600という機種になります。
言わずと知れた大手トラック・バスメーカーのいすゞが手掛けるデジタコで機器自体はトランストロン社製。2017年にバージョンアップが慣行され、クラウド式となりました。
同社が手掛けるデジタコMHS-03DTは、エコドライブナビゲーションをベースにデジタコ機能が追加されてもので、同時開発されたe-trailというソフトと連携させて運用する方式です。
同社のドラレコであるKD250は、通信によるリアルタイムの動態管理や配車計画が可能な一方、分析などはSDカードからデータを読み込んでパソコン上で行うという方式です。
1万人以上の技術者が在籍しているハイテク系企業ですが、2020年9月30日をもって、ドライブレコーダー、デジタルタコグラフならびに関連サービスの提供が終了となりました。
同社が手掛ける「DRHV-5100」は、ハイビジョン録画対応ドライブレコーダーをベースに、クラウド型デジタコの機能が追加されているというもの。走行位置表示やイベント一覧表示などを装備。
昭和24年創業の老舗で、タクシーの料金メーターを手掛けている会社として知られます。デジタコでは珍しい、タクシーメーターとの連携ができるSU-100という機種をラインアップ。
アナタコとの違い
知っておけよ!
デジタコについて調べていると、「アナタコ」についての情報を見かけることがあるかもしれません。どちらもタコグラフではあるのですが、その違いはどこにあるのでしょうか?両者の違いについてまとめてみました。
アナタコは「アナログタコグラフ」の略であり、アナログ式の運行記録計のことを指しています。円形のチャート紙に情報が記録されるようになっており、表示された線の動きをもとに運行状況の確認を行います。
アナタコのメリットは、価格が比較的安価だという点にあります。機能面や利便性ではデジタコのほうが勝りますが、その分コストは高くなります。規模が小さい会社にとっては、導入コストの高さは大きなハードルになるため、価格が安価なアナタコは導入のしやすさが大きなメリットと言えます。
デメリットとしては、データの読み取りに専門知識が必要という点にあります。チャート紙に記録された線の動きから運行状況を分析する必要があるため、データの読み取りができる人が限定されたり、分析作業に時間がかかったりといったデメリットがあります。
一番大きな違いは、記録媒体の違いになります。アナタコはチャート紙に記録されるのに対し、デジタコはSDカードにデジタルデータとして記録されます。
デジタコの場合は、SDカードから各種情報をすぐに照会・確認ができるため、業務効率化が期待できます。また、データの改ざんもほぼ不可能なため、正確な運行状況の記録・管理ができるようになります。
また、現在はデジタコ搭載の義務化が進んでいるため、デジタコの特徴について知っておくことがおすすめです。下記では、デジタコについてさらに深掘りして紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
デジタコの魅力
知っておけよ!
デジタコを搭載すれば様々な情報を把握することができ、業務の効率化にもつなげられるでしょう。ここではデジタコを導入するメリットについて紹介するので、デジタコを検討中の方は是非チェックしてくださいね。
デジタコを搭載することで、GPSによる位置情報や急加速・急減速、エンジン回転数の変化、燃費計算など様々な情報を把握することが可能です。より細かな情報を把握できるため、勤怠状況を正確にチェックできるだけでなく、安全運転の指導などにも役立てられるでしょう。さらには経費削減にもつながります。
デジタコは当日の運行状況などを記録しており、自動的に業務日報を作成してくれるアイテムです。そのため従来は手書きで作成していた日報も必要なくなり、大幅に業務を減らすことができるでしょう。さらにデジタコが日報を作成することによって、休息などの虚偽申告もなくなり、安全管理の徹底にもつながります。
ドライバーの中には、急発進や急減速を繰り返すような危険な運転をする人もいるでしょう。また長時間の運転を行っている人も少なくありません。デジタコを搭載することによって運行状況が正確にチェックできるため安全指導の徹底が可能に。さらにドライバー自身が安全な運転を意識することになり、重大な事故を防止できるでしょう。
デジタコだけでなく、アナタコと呼ばれるシステムもあり、アナタコでは運行距離や速度など簡易的な内容だけを把握できるものです。ただアナタコの場合、円グラフで計測データが表示されるため、情報を解析するためには経験や知識が必要となり、経験の浅いドライバーが内容を把握することは難しいでしょう。デジタコであれば情報を解析するための専門的な知識は必要なく、記録内容は誰がみても把握しやすい状態になっています。そのためデータの確認や集計などの負担も大幅に削減可能です。
さらにメモリーカードを取り出す・挿入するだけの作業なので、ドライバーにとっても非常に簡単に取り扱えるでしょう。
デジタコは20年余りもの歴史があり、インターネットを活用し、ドライバーと管理者のリアルタイムなやり取りもできるタイプも誕生しています。リアルタイムに情報を把握できれば、ドライバーに対し迅速かつ適切な指示を伝えることが可能です。より理想的な運送を行うことができ、質の高い業務へとつながるでしょう。
デジタコによって記録されている各種データは、基本的に素人が改ざんすることは困難です。そのため、客観的に信頼できる情報としてデータを活用できることが重要です。
客観的な信頼性が担保されているからこそ、デジタコのデータは訴訟に発展した際や、事故に遭って警察の捜査へ協力しなければならない際にも証拠として利用できます。
デジタコの注意点
知っておけよ!
デジタコには色々なメリットが存在していますが、同時にデメリットとして注意すべきポイントもあります。デジタコのデメリットとして代表的なものを解説します。
デジタコは便利な機械ですが、導入するためには当然ながら本体の取得費用や設置費用といったコストが発生します。そのため、デジタコの活用には導入メリットとコストとのバランスを客観的にシミュレーションして導入価値を検討することが大切です。なお、利用するデジタコやサービスによっては維持費が発生するため、長期的なコストメリットを試算することも欠かせません。
デジタコのデータは改ざんしづらいものの、保存したはずのデータそのものが破損して読み取れなくなってしまうといったリスクはあります。また、導入するデジタコによってはデータが上書きされてしまって、大切なデータが消去されてしまう可能性もあります。
デジタコを導入する場合、データの記録方法やバックアップ方法についても合わせて考えておくようにしましょう。
デジタコは万が一の事故発生時や車両へのいたずらなどが発生した際に、重要な証拠としてデータを利用することができますが、同時にドライバー自身の運転方法や車両状況を監視するシステムとして考えることも可能です。
デジタコはシステムであり、第三者だけを厳しく監視して、ドライバーについては配慮して問題を見逃すといったことは行えません。そのため、ドライバーによってはデジタコを導入することによって過度に緊張したりプレッシャーを感じたりしてしまい、心理的なストレスが増大してしまうといったリスクもあります。
導入数は
どんどん
増えている!
デジタコには複数のメリットがあると同時にデメリットも存在しています。そのため、デジタコの導入価値を追求して前向きな効果を得ようと思えば、自社のニーズや利用環境とデジタコのメリット・デメリットを総合的に考慮して適切なマッチングを検討しなければなりません。
とはいえ、デジタコの導入や普及率は増加傾向にあり、一般的にデジタコの利用が進んでいるということは多くの企業やドライバーにとってメリットがあると期待されているからでしょう。
導入資金の面では、いきなり全車に導入するのは無理でも長距離や交通量の多いエリアを走る車両から導入したり、補助金を活用したりなど取れる方法はあります。ドライバーに与えるプレッシャーほかデメリットに関しては、導入目的や扱い方などを研修で補うことも可能です。デジタコの導入で得られるメリットを活かし、自社の発展にまい進していきましょう。
デジタコの恩恵、
しかと見届けろよ!
ドライブレコーダーと連携することで、事故発生時の瞬間の記録を保存することができます。また、事故についてドライバーの意識を高めることで、事故リスクを低減できる上、安全な運行によって全体的な業務効率を高めるためにも効果的です。
その他、各種帳簿機能を搭載しているため帳票出力のコストを削減できます。
単機能型デジタコと比較すると、導入コストが高額になりがちです。一方、多機能型と比較すれば搭載機能の面で劣っており、導入してからもっと多くの機能が欲しくなった場合、結果的に改めてデジタコを入れ替えなければならないというロスが発生することもデメリットです。そのため、導入時には標準型デジタコでも機能が十分かどうか細かく検討しておかなければなりません。
単機能型デジタコの最大のメリットは、導入時のコストが標準型や多機能型と比較して安く抑えられるという点です。場合によっては数万円で導入できるものもあり、初めてデジタコを導入したい企業にとってハードルが低いといえるでしょう。また、導入したい車両の台数が多い場合もまとめてそろえやすくなっています。
加えて、機能がシンプルなため、デジタコ初心者でも操作法を覚えやすいという点はメリットです。
単機能型の機能はシンプルであり、一層に詳細な運行管理体制を整えたいと考えた場合やドライブレコーダーとの連携が必要になった場合、新しく上位のデジタコを購入しなければなりません。そのため、長い目で見るとトータルコストが高くなってしまう可能性があります。
多機能型デジタコは、その名の通り多くの機能を搭載しているという点がメリットです。ドライブレコーダーとの連携はもちろん、ドライバーのアルコールチェック機能や各種帳簿作成機能、走行時の燃費管理、速度超過アラームなど、様々な機能を活用することができます。
また、オプションが用意されているシリーズもあり、ニーズに合わせてデジタコをカスタマイズしていける点もメリットです。多機能型デジタコの性能によっては経営戦略を考える上で役立ちます。
多機能型デジタコのデメリットは、1台あたり数十万円と、他のデジタコと比較して導入費用が高額になるという点です。そのため、多くの車両へ搭載することを考えれば総額は相当なものになるでしょう。
ただし、多機能型デジタコを上手に活用することで燃費管理やドライバー管理の質を向上させられるため、結果的にはコストメリットを得られる可能性も高まります。
デジタコはこれだけ
普及しているぜ
公益財団法人 日本自動車輸送技術協会が2021年11月に「デジタル式運行記録計等の使用実態調査報告(概要)」を発表しており、それによるとデジタコの普及率はトラック事業所87%、バス事業所90.3%と報告しています。この報告から分かることは多くの運送業界でデジタコを導入しているということです。
その導入理由はトラック業界・バス業界共に「事故の減少」という目的が最も多く、安全運転に対する意識を高めたいと考えているケースが多いでしょう。他にも燃費節約や業務の効率化、時間管理の適正化などの理由も挙げられていました。
また事業用トラックの安全運転管理推進によると、デジタコのデータに基づき安全運転指導を行う、点呼・研修に活用するなどドライバーの多くが安全運転への意識が高まったなどの導入効果があったようです。
※参照元:(pdf)公益財団法人日本自動車輸送技術協会公式HP(https://www.ataj.or.jp/research/PDF/R3_chousa_report_summary.pdf)
デジタコ導入に
使える補助金がある
デジタコ導入において活用できる補助制度について紹介します。デジタコ導入に際し、費用面をネックに感じる事業所必見です。
デジタコやGPS車載器などの車両動態管理システムだけでなく、予約受付システムや配車計画システム、AI・IoTによるシステム連係ツールを導入する際に補助金を受け取ることができます。デジタコを導入する場合は、定額または1/2以内の補助率となっており、1事業所につき50台までが補助上限台数です。また交付申請の期限が設けられているので、詳細は公式サイトで必ず確認してください。
※事業実施団体は毎年度ごとに入札で決定されるため、申込み先ほか詳細は都度確認が必要です。この内容は令和4年度の事業を参考にしています。
※参照元:(pdf)陸上輸送省エネ推進事業事務局公式HP/トラック輸送の省エネ化推進事業公募要領(https://www.pacific-hojo.jp/2022r04/dotai/12pdf/04dotai_flyer.pdf)
デジタル式運行記録計を導入するにあたって、車載器であれば車載器本体などの経費が対象となり補助率は1/3で1台当たり2万円が上限となっています。また事業所用機器であれば分析ソフトなどの経費が対象で、補助率は1/3、10万円が上限額です。また2022年には通信機能付きのデジタコとドラレコ一体型のシステムを導入する場合は、1台あたりの補助上限額は8万円となり、1社あたりでは120万円に補助上限額が増額されています。さらに過労運転防止のための支援として、デジタコとモービルアイと連携を図ることで、補助率は1/2、1申請者当たりの上限は80万円です。
※参照元:国土交通省公式HP/事故防止対策支援推進事業(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/subcontents/jikoboushi1.html)
都道府県ごとのトラック協会では、独自の補助金制度を設けています。所属しているトラック協会によって補助率・圃場上限額などの詳細が異なるため、公式のホームページで補助の条件などを必ずチェックしてください。経済産業省が行っている制度よりも補助額は少なめですが、申請手続きや報告の手間もほとんどないので比較的申請しやすいでしょう。
※参照元:全日本トラック協会公式HP/TOP(https://jta.or.jp/)
運送業の法律は
把握しろよ!
ドライバーの労働実態を管理・把握することは難しいもの。しかし、きちんと管理しなければ過労死などのリスクを高めてしまいます。また2024年問題によって残業代が減ることで従業員の不満が噴出することも。しっかりと労働時間を把握し、働きやすい環境を提供しましょう。
運送業において時間外労働の短縮や正社員と非正規社員との格差是正は、早急に取り組まなければならない働き方改革です。常に人材が不足しているため、人材確保のための柔軟な働き方を提供することも改革をする上で必要なことになるでしょう。
運送業は働き方改革を2024年まで猶予されており、ルールが大きく変わることから、「2024年問題」とも言われています。法令を遵守しなければ罰則も設けられているので、企業にとっては法令を遵守することが求められるでしょう。
運送業は労働者が目の届かない場所で働いているため、正確に休憩時間を管理・把握することは難しいものです。しかし管理しなければ、賠償金を請求に繋がる可能性もあります。430休憩などの法令を守ることで、事故を防ぐことができるため、しっかりと休憩を取るように指導することが大切です。
運送業は、一般的な職種のような36協定という規制はありません。しかしドライバーのためのルールが定められており、そのルールに違反すれば罪に問われることも。2人同乗する場合には、拘束時間なども変わってくるため、しっかりと拘束時間のルールを把握しましょう。
2024年よりドライバーの時間外労働時間は年に960時間までとなり、月に80時間までが目安となります。ドライバー以外の職種は年に720時間となり、月に60時間が目安。しかし、ドライバーも月の時間外労働時間が60時間を超えると割増率が増加するため、何とか60時間までに抑えたいところです。
運送業は手書きによる入力も多く、ミスなどの要因によって勤務状況の管理が難しくなっています。正確に労務管理しなければ、罰則を受けることもあるので、企業にとっては労務管理を正確に行うことは必要不可欠です。アナログで管理するだけでなく、デジタルなシステム・ツールの力を賢く活用しましょう。
運送業は巡回指導や監査を受け、実際の勤務状況や車両状況などをチェックされます。巡回指導は事前に通告がありますが、監査は無通告で行われるケースがほとんどで数日要することも。監査で重大な違反が見つかれば、行政処分の対象になることもあります。