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運送業の働き方改革

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運送業はキツイ仕事というイメージを抱く人が多いように、長時間労働であり、不規則な勤務体制で働かざるを得ない環境というケースがほとんどです。そのため職場の環境を少しでも改善するための働き方改革が、必要不可欠な業種と言えます。このページでは、運送業における働き方や注意点、働き方改革を導入した事例について分かりやすく解説していくのでチェックしてください。

運送業には働き方改革が必要不可欠!

運送業は品物を決められた時刻までに運ばなければならないため、状況によっては寝ずに運転をし続けるケースも多々あるのが現状です。長時間労働を強いていることも多く、また不規則な勤務状況によって、不調をきたすこともあるでしょう。そのため早急に労働環境を改善するための働き方改革が必要になり、法整備も進んでいます。

しかし、現状をスグに変更することは難しいもの。2024年までの猶予期間が設けられており、それまでに運送業の働き方を見直さなければなりません。

運送業の働き方改革とは?

運送業の働き方改革を推進すると言っても、どのような改革を行っていくのかイメージしにくい方も少なくないと思います。運送業では基本的に「同一労働賃金の取り組み」「時間外労働の上限規制の適用」の2つにおいて行われます。具体的に2つの改革について解説していくので、参考にしてください。

同一労働賃金に対する取り組み

運送業で勤務する方には正社員だけでなく、契約社員や定年を迎えたシニア層も数多く在籍しています。同じような労働を行っているにも関わらず、正社員と非正規のドライバーでは手当の金額が全く違うため、非正規ドライバーが経済的にも困窮するケースもあるのです。

正社員と非正規社員の格差をなくすために、大手の運送業では2020年4月、中小規模の運送業では2021年の4月から「同一労働同一賃金」のルールが課せられるようになりました。このルールによって、定年後に再雇用されたドライバーの嘱託社員が、定年前と同じ仕事量なのに給与が減るのは違法として会社を訴えたケースがあり、裁判では嘱託社員に手当を支払わないのは不合理として嘱託社員の訴えを認める判決が出されています。

つまり正社員と非正規社員が同程度の仕事をこなしているのであれば、給与や手当、休暇など様々な点に関して格差が生じないように企業側は対策しなければならないのです。

時間外労働の上限規制の適用

運送業界は常に人手が不足している状況であり、トラックドライバーの年間の労働時間は他の業種と比較すると300時間以上も多いという報告もあります。時間外労働が当たり前のような環境になっているので、早急に業務環境の改善が求められているのです。

2024年4月には、全ての運送業に対し、時間外労働は年に960時間以内、月平均80時間以内にするように施行されました。これには罰則も設けられているため比較的厳しい内容にはなっているでしょう。

時間外労働の上限規制の適用は、ほかの業種であれば2019年や2020年に施行されています。運送業に猶予期間が設けられているのは、それほど現状の労働環境が悪化しており、改善するまでに時間を要すると判断された背景があるからでしょう。

働き方改革の注意点

「働き方改革」というと良いイメージを抱く人も多いはずです。しかし必ずしも、他業種と同程度の改革になるわけではないので、働き方改革という言葉だけに惑わされるのではなく、働き方について考えてみましょう。

正社員と非正規社員の格差は改善されるのか?

「同一労働・同一賃金」という考え方が広まり、正社員と非正社員の格差が生じないことが大切になってきます。同じ業務を同じだけこなしていれば、同程度の給与をもらうことができ、待遇なども正社員と同じで良いはずです。まずは職場において正社員と非正規社員の手当てや接遇などを洗い出し、双方を比較してみましょう。少しでも問題があると思われる部分に関しては見直しを行い、格差の是正を図ることが重要です。

長時間労働を強いられていないか?

企業が長時間労働の改善を把握していても、人材不足などと理由をつけてドライバーに無理を押し付けているケースもあります。まずはドライバーや運送業に勤める従業員が、残業時間に上限規制があることを把握し、自分の残業時間の上限を把握するようにしましょう。ドライバーであれば2024年4月からは年960時間が上限となり、ドライバー以外の従業員は年360時間が時間外労働の上限になっています。

また、この上限規制は運行管理者や点呼の担当者も適用となるので注意が必要です。法令に則って運送業を営めるように環境を整えることが急務と言えるでしょう。

自由な発想で働き方を見直す

運送業は人手不足が続いており、少しでも働きやすい環境にしなければ、新しい人材を確保するのは難しいでしょう。人材不足を解消するためにも、まずは従業員にとって柔軟に働ける環境を作ることが大切です。

  • 短時間勤務の導入
  • 育児休暇の積極的取得を推進
  • ダブルワーカー(副業)を認める
  • シニア層や女性、未経験者の採用
  • スキルアップのための支援

上記のような対策を講じることによって、ドライバーに興味のある人を呼び込むことができ、人材不足の解消に繋がるでしょう。必要な人材を確保することで、残業時間も減らせるなど様々なメリットがあります。企業として、将来的な視点も踏まえた対策を行うことが重要です。

働き方改革を導入した事例

パレット荷役による作業時間の短縮を図ったケース

バラ積み貨物を一つひとつ荷台に積みこむ作業は、どうしてもドライバーに負担が大きくなってしまい、状況によっては作業時間が長くなることも。そのため、バラ積み貨物をパレット化することを実施。着荷側にはコストアップする可能性、発荷側にはパレタイズする手間について丁寧に説明し、理解を得ることに成功しています。その結果、ドライバーの作業時間は大幅に短縮し、荷物を積み込む・おろす作業の効率化アップにつながったようです。

予約システムを採用し、待ち時間の短縮を実現

出荷時間が読めないため、ドライバーの待機時間が長くなる問題が発生。そこで予約受付システムを導入し、運送業者がシステムを活用。ドライバーの出勤時刻を調整することができ、待機時間・拘束時間の短縮を実現しています。このケースでは、入退場や進捗管理システムを構築し、トラックの運送業者に公開しているため、出荷時間の予測が付くようになり、労働時間を減らすことができたのでしょう。

運送業の働き方改革を推進しよう!

運送業の働く環境は、非常にドライバーに負担が大きくなっており、離職者の増加や新規入職希望者の低下など人材確保が難しい状況になっています。そのため一刻も早く、長時間時間外労働の軽減や非正規社員との格差の是正などの対応が求められるでしょう。

法令を遵守するのは前提として、人材を確保するために魅力的な職場に改善することも大切です。また他の業種との連携を図りながら、ドライバーの拘束時間を軽減するなどの業務改善も取り組んでいくようにしましょう。その取り組みのひとつとしてデジタコを導入もあります。運送全般の効率化や経費削減などを図ることもできるので、ドライバー自身が働きやすい環境を整えるためにもぜひ検討してみてください。